医師主導治験(GCP)
臨床研究コーディネーターの業務
臨床研究コーディネーターとは?
– CRC(Clinical Research Coordinator)-
- 医師と被験者および治験依頼者の間に立ち、GCP(Good Clinical Practice)に則った試験が円滑に実施されるように支援するのが臨床研究コーディネーターの役割です。
- 当院では、薬剤師と看護師が専任で担当し、全ての治験、製造販売後臨床試験を支援しています。
CRCの業務とは?
- 臨床試験に関わる全ての関係者間の調整→文字通り「コーディネート」が主業務
- 治験の倫理性・科学性・信頼性の確保への支援
- 被験者の安全・人権・福祉の確保への支援
※CRC業務の詳細に関しては、手順書を参照してください。
治験開始前の業務
- プロトコール(治験実施計画書)や同意説明文書の内容のチェック
- 依頼者とのヒアリングによる院内で実施時の問題点の抽出・調査
- 医師や病院スタッフとの業務の役割分担の構築(スタートアップミーティングや病棟説明会の準備
- 試験に必要な資材の準備)
被験者対応のCRC業務の流れ(外来診察時)
(被験者選択時の対応内容)
- プロトコールからの不適格症例を組み入れないために、選択基準・除外基準を元にスクリーニング(カルテや併用薬・検査データのチェックなど)
- 医師の患者さんへの治験に関する説明の補足
- 同意文書の管理
- 各種検査や日程の段取り
- 治験特有の端末入力作業の補助
- 治験開始連絡等の事務手続き 等
(治験説明の補助)
- 1.治験について
- 2 治験の目的について
- 3.治験の方法について
- 4 治験への参加予定期間について
- 5 治験に参加する患者さんの予定人数について
- 6 治験薬の予測される利益と不利益について
- 7.治験に参加されない場合の他の治療方法について
- 8.治験参加期間中に健康被害が生じた場合について
- 9.治験への参加は自由意思であること
- 10.治験に関する新たな情報の提供について
- 11.治験への参加が中止される場合について
- 12.治験に参加された場合のカルテなどの調査について
- 13.治験の結果が公表される場合における個人情報の保護について
- 14.治験参加期間中に守っていただきたいこと
- 15.治験に参加された場合の治療費について
- 16.治験に参加中の負担を減らすための費用(負担軽減費)について
- 17.治験担当医師について
- 18.相談窓口
- 19.知的財産権と利益相反について
- 20.治験審査委員会について
※CRCは事務的な部分を中心に説明します。(所要時間:約30分~1時間程度)
(実施中から終了までの支援内容)
- 被験者面接・ケア(相談対応 等)
- 診察への立会い
- 検査補助
- 有害事象発現時の対応
- 関連部署への連絡(検査部門や他施設 等)
- 症例報告書の作成
- モニタリングの対応
(被験者面接内容)
- コンプライアンスの確認(服薬率 等)
- 未服薬の薬剤や空容器の回収
- 患者日誌等の確認
- 有害事象の確認と追跡
- 身長・体重、血圧 等のバイタル測定
- QOLアンケート等の実施
- その他
(有害事象への対応)
有害事象とは?:Adverse Event → 医療上のすべての好ましくない出来事
重篤な有害事象(SAE)の場合の医師の対応
- 病院長と治験依頼者への迅速な報告の義務(例:知り得てから24時間以内)
- SAEにて他院受診した際には、他院から情報を入手
- 重篤な有害事象の報告書の作成
- 治験薬との因果関係の判断→補償や他科受診手配など
※CRCはこれらの医師の対応の支援を行います。
その他の業務1 治験依頼者(モニターのモニタリング)への対応
その他の業務2 被験者募集の準備と受入れ窓口としての対応
(依頼者によるもの)
新聞広告、折込チラシ、電車の中吊り、インターネット 等
(CRCによるもの)
院内ポスターやパンフレットの作成、臨床研究推進センターHPへの掲載
※被験者募集の対応は必ず実施する業務ではありません。実施可能と契約したにも関わらず、何らかの事情で予定症例数が達成できない際には御相談ください。
(スタートアップミーティングの際にも御相談はお受けいたします)